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二杯目のココアを運んでいくと、彼女はいつものようにエアメールを書き始めていた。テーブルにカップを置こうとした瞬間、突然「あの」と声をかけられた。びくっとして手元が狂う。揺さぶられたカップからココアが数滴、便箋に飛び散った。
「す、すみません、すみません!」
せっかくいい感じだったのに、痛恨のミス。頭のてっぺんから足先まで、波が引くようにさーっと血が降りていく。僕はあわててペーパーナプキンでそれを拭こうとした。
「待って!」
ココアさんの手が僕の手に重なる。今度は魚みたいに心臓が跳ねた。
「見て、ココアのハート!」
ハート?
そう言われてよく見ると、少々いびつだけど、たしかにココアが茶色くハートをかたどっていた。
「おもしろーい。このまま送っちゃおう」
ココアさんは、虹を見つけた子どもみたいにはしゃいだ。こんなふうに笑ったりするんだ。僕の中の魚は、さっきからぴょくぴょくと跳ねまわっておさまらない。
「ホットココアでお温まりください、って書いておきますね」
ココアさんはそう言いながら、エレガントな手つきで流れるような英文を書いた。
いつもの席でいつものように、気持ちよさそうにほほえんで。
僕は知った。この小さな世界でも、奇跡はちゃんと起こる。初めて触れたやわらかな手。僕だけに向けられた楽しそうな笑顔。
ココアのハートのすぐそばに記された「My dear best friend, Mary」。英語のできない僕でも意味はわかるよ。メアリーという、一番大切な友達への手紙。
ココアさんがどうして泣いていたのかはわからないけど、とりあえずエアメールの相手は遠距離恋愛中の恋人じゃなかったのかなと、僕はにやけた顔をトレイで隠した。


