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まじめな卵焼き(2)
さっきカフェでめくった弁当づくりの本には、「おいしそうに見せる基本の5色」が載っていた。赤、緑、黒、茶、黄。赤のプチトマトは入れるだけだから楽勝。緑はブロッコリーで、茹で具合に自信はないけどそう難なくいけるだろう。黒は苔り、小さなおにぎりを作るとして、茶色はウィンナーを炒いためればいい。よくわからないけど、切り目を入れればタコだとかカニだとかになるはず。
黄色。
そう、問題は、黄色。黄色い食べ物って、そして弁当って、もうアレしかない。
幼稚園の門が見えてきた。考えてみたら、幼稚園に拓海をお迎えに行くのも初めてだった。入園してから2年以上たつのに、私がこれまで幼稚園を訪れたのは、入園式と運動会、クリスマス会くらいのものだ。どれも輝也と一緒に、ビデオカメラを回した。でも今日は、隣に輝也がいない。ひとりでは心もとなくて緊張しながら門をくぐると、横から誰かに「こんにちは」と言われた。
そちらを向くと、4人のお母さんたちがぐるりと輪になっている。そのまわりで子どもたちが追いかけっこをしていた。お母さんも子どもも、誰ひとり見覚えがなくて私は体をこわばらせる。
ボーダーのシャツを着た、お母さんのひとりが私を見ていた。声をかけてくれたのは彼女だろう。ぱさついた髪の毛を後ろでひとつにくくり、銀縁の眼鏡をかけている。
「今日はパパじゃないのね」
「あ、はい、ええ」
誰だっけと思いながら、私はせいいっぱいの愛想笑いをした。ボーダーさんは、私に話しかけたはいいものの、それ以上の会話が広がらないらしくて苦笑いをしている。私は早く場を離れたくて、お辞儀をしつつ園舎に体を向けた。他のお母さんたちもぎこちない笑顔で会釈しながら、私に視線を走らせているのがわかる。



